PINC.

PINC. — Privacy by design.

The place
resolves.

「Wi-Fi・コンセント あり」のカフェを訪れて、3.5Mbpsを計測したその時に全てが始まりました。現代では電気や水道と並ぶ「電波」というインフラについて私たちはほとんど確認することができません。仮に、すべての物理的な空間において「確認」することが不要なほど電波というインフラが発達しているならば誰も不満を抱くことなく、意識することもなく、確固たる生活基盤として存在していたことでしょう。しかし現代では違います。高度に資本主義化された電波というインフラにおいて、私たちができることは文字通り享受することしかありません。そしてその電波の品質においてももはや一期一会の偶然のような出会いを求めるほかありません。世界有数の先進国でさえもあまりに軟弱な地盤の上に築かれた「電波」というインフラにおいて今の私たちができることは、ただ観測することだけです。ただ、一期一会の偶然の出会いを否定しているわけでもありません。すべての事象は確率でのみ存在しておりそれは偶然以外の何物でもないのですから。
駅伝制がかつてそうだったように、情報の速達性というのはいつの世も圧倒的な権威になりうるものです。もはや私たちが暮らす現代の社会では、地球という物理的空間が狭く感じられるほど情報の伝達速度は向上しました。物理学に従えば、純粋な情報伝達の速度というのはこれ以上飛躍的に向上することはしばらくないでしょう。しかし、私たちが知りたい「あの場所のいま」という情報はなかなか受け取ることができません。これには、現代の情報伝達としての役割を担っているさまざまなものに存在する中央集権的な構造が直接的な要因だと考えています。毎日毎時間同じ場所に測量士を派遣し、時間毎にカウンターを押してサーバに送信するなんてことは非現実的です。ありとあらゆる場所でカメラやセンサーの類を設置してよりリアルタイムな情報を取得するアプローチも発達してきましたがそのままの速度で情報を公開できるかどうかはまた別の話です。しかし私たちは、20Wで動き驚異的な精度を誇るセンサーメカニズムとそれを補う$999の電子機器を常にその身に宿らせています。PINC.はそれらを監視装置として利用したいわけではありません。全てはあなたの能動的な意思のもとに、そしてあなた個人とはなんら関係のない「その場所」の現在を、容易く観測して発信することができる。それを可能にする技術だけは整っているからです。
現代において民主化されていない情報というのは片手で数えるほどしか残っていません。そしてその中でも、さまざまな要因が難しくしているものが「リアルタイム情報」です。極端なリアルタイム情報というのは、簡単に操作することができません。特定の意思や思想を介入させる物理的な時間が無いからです。また同時に、「リアルタイム情報」は定義することも難しく情報の取得や再配布の難易度も桁違いです。ただ蓄積させれば良いという性質ではないからです。蓄積することで得られる情報とは「統計的予測」に他なりません。そして現代において最も執拗に蓄積されているのは、場所でも現象でもなく、ほかでもない「個人」そのものです。
統計的予測された情報というのは、ある程度は正確で説得力のあるものです。しかし私たちがそれらにただ従うようになると、私たち自身の行動や生活そのものが、統計的に予測可能になってしまいます。その先が明るいと感じるか暗いと感じるかは人それぞれではありますがいずれにしても私たち人間というものは、予測されるべき事象ではないとPINC.は主張します。

PINC. — Privacy by design.

人ではなく、
場所を見る。

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